今年2019年も「正倉院展」が開催されました(10/26〜11/14)。
今回でなんと第71回目。会場の奈良国立博物館には世界中から多くの人々が訪れ、毎年1000人規模の行列ができますが、今年は御即位記念ということで、さらに注目を集めました。
毎年この時期は、いつもに増して奈良市街にたくさんの観光客が訪れ、HARUHINOにもたくさんのお客様が立ち寄ってくださいます。お客様とお話していると、遠路はるばる東京から、正倉院展のためだけに毎年日帰りで来ているというマニアな方も。
それもそのはずで、正倉院展にはそれほど人を惹きつけるものがたしかにあり、世界中に数多ある展覧会の中でも、奈良の正倉院展の集客数は毎年世界一なのだそうです。
令和元年の今年は、御即位記念として東京でも開催されています(11/24まで)。
東京で大規模に正倉院の宝物が公開されるのは38年ぶりとのこと。
さて、そんな正倉院展の魅力とは一体どんなものなのでしょうか。
超レアもの? そもそも正倉院展ってどんな展覧会?
日本中が注目する、年に一度の特別展。
東大寺敷地内にある「正倉院」には、おもに飛鳥・奈良時代に遣唐使によって持ち帰られたものを中心に、数千もの宝物が厳重に保管されています。その中のごく一部、数十点が年に一度一般公開される、それが正倉院展です。
1200年以上も昔のものがこれほど良い状態で温存されているのは日本だけのようで、当時の人々の生活の面影をリアルに感じることができます。しかし、宝物の傷みを考慮すると、同じものを毎年外に出すわけにはいかず、10年に一度展示するのがやっととのこと。
つまり、ある宝物にお目にかかれるのは良くても10年に一度。同じものを二度見られる可能性はほとんどなく、もしかしたら一生お目にかかる機会がないものもあるわけです。「また来年行けばいっか」と悠長なことは言っておられず、見たいものが展示されるときに絶対行くべきなのです。
しかも意外だったのが、毎年恒例の正倉院展かと思いきや、じつは年に一度の開催があらかじめ約束されているわけではなく、その都度企画・交渉・検討を経て開催に至っているのだそうです。要するに、毎年が「もしかしたらこれが最後の正倉院展になる可能性がなくもない」ということ。
そもそもこれらの宝物は、千余年の長きに渡って一般の人の目に触れることはありませんでした。この希少性、レア感が、正倉院展の魅力の一つであることは間違いないでしょうし、マニア心をくすぐる、オタク的魅力(?)なのかもしれません。
「和」ではないエキゾチックさは奈良ならでは
では、年に一度だけ正倉院展で展示される「宝物」とは、一体どんなものなのでしょう。
遣唐使が派遣されていた飛鳥、白鳳、天平の時代、唐の都「長安」は、シルクロードを通じて世界各地から人・文化・ものが集まる文明の十字路でした。そして遣唐使が持ち帰ったものには、ローマ・ペルシャ・インドなどのものもたくさんありました。
唐から様々なことを学んで我が国に取り入れることを目的に派遣された遣唐使でしたが、結果的に天平文化とは、図らずして世界各国の影響をさまざまに受けた、色とりどりの文化だったことになります。
実際、この時期に都で作られたものには、私たちが普段イメージするような「和」とは異なったエキゾジックなものが多く、日本の歴史の中でも特異な文化であったといえます。
奈良時代が終焉を迎え、都が京都に移った頃には、そういったバラエティ豊かな文化は持ち越されず、唐の影響だけを直接的に受けたものが多くなり洗練されていきます。今も京都といえば、和服に代表されるような「和」をイメージしますが、奈良の時代の天平衣装は「和」とは違った一風変わった独特のデザインですし、古都奈良の文化は意外にも、よくイメージされるような「和」ではないのです。
奈良時代に作られた工芸品や織物には、さまざまな文様があしらえられていますが、よく目にする「和柄」とはかなり違った趣があります。地中海世界や西アジアに起源を持つものも多く、奈良の文化には、世界のあらゆるもの、見知らぬもの、新しいものを貪欲に取り入れようとした、ある種の生々しさ、鮮度の高さがあります。
奈良の魅力は? と問われれば、「豊かな自然」「飾らない素朴な街並み」などなど、いろいろありますが、ほかの他府県では見られないエキゾチックな趣、ある種無国籍な文化模様も、その一つではないでしょうか? その象徴的存在が、「シルクロードの終着地」ともいわれる正倉院に眠る宝物なのです。
正倉院文様が刻まれた令和ゆかりの奈良財布
さて、正倉院展の魅力について語ってみましたが、HARUHINOの「正倉院文様」のラインナップは、文様が美しく刻印された、類を見ないハイクラスのヌメ革財布です。
正倉院文様は様々な形で再現され、現在でも織物のデザイン等に用いられますが、レザーに刻印したのはHARUHINOならでは。革を知り尽くした奈良の熟練職人だから生み出せた、最上級の手作りアイテムです。
風流を感じさせながらも現代的でハイセンスな飽きのこないデザインで、老若男女問わず手にしていただける珠玉のアイテム。
新しい時代の前途を祝す、ご自身への縁起物として、大切な人へのギフトとして、ぜひ手に取ってみてください。自信をもってお届けいたします。